はたらけどはたらけど猶わが生活楽にならざり、ぢっとソースを見る…
『ITエンジニア脱ジリ貧の七つのポイント』第5回目「多重下請け」のお話です。
どうも。ozです。
なんだ前回と同じじゃないかと思われるかもしれませんが、今回は多重下請けのこれからについてお話します。
さて、いまさらですが、2015年9月30日に改正派遣法が施行されました。それにより、いろいろ変わりました。(内容は割愛)
今日の論点に必要なところだけ抜粋すると、特定派遣(無期雇用の正社員のみ派遣できる資格・登録制)がなくなり、すべて一般派遣(大手の派遣会社ありがちな正社員じゃなくても派遣できる資格・許認可制)に統合されます。これにより、いままでは書類を書くだけで登録が完了していた中小零細ソフトハウスが派遣資格を失う可能性が出てきました。
一般派遣の資格を取る許認可のハードルが零細企業には結構高いのです。
しかし、多くの中小零細ソフトハウスはそんなことではヘコタレません。そう、伝家の宝刀「SES」です。
「SES」とはシステムエンジニアリングサービスの略で、SEをサービスしますよってことで、要するに派遣みたいなものです。
知ってますよね。
派遣「みたいなもの」と言ったのは、派遣法に規定された派遣契約ではないからで、ほとんどが準委任契約と言う契約が結ばれます。
この、準委任契約と言うシロモノ、民法に規定されているもので、派遣法とは基本的に無関係です。これだと派遣資格も要りませんし、なんも問題ない。
…のでしょうか?
例えば、常駐先の指揮命令を受ける準委任契約は、多重ではなくても偽装請負と見なされます。多重構造の中で結ばれた準委任契約で常駐先の指揮命令を受けた場合は二重派遣とみなされます。また、労働契約申込みみなし制度と言う制度の適用を受けたりもします。現実には、多重構造の中でSESと呼ばれる準委任契約を結びつつ、常駐先の指揮命令を受けつつ作業を行っている方はたくさんいらっしゃいますが、厳密に言えば、これらは違法となります。
派遣法の改正には、労働者を保護すると言う目的があります。
特に今回の改正は、準委任契約を隠れ蓑に多重下請け構造を維持し、エンジニアに群がるようにピンハネするIT業界がそのターゲットにされているとも言われています。実際ターゲットなのかどうなのかは知りませんが、コンプライアンスの厳しい大手企業などは準委任契約を敬遠するようになります。
我々のような中小ソフトハウスは、派遣資格を取得するか、請負や自社で案件を受託しない限り、準委任契約に頼らざるを得なくなります。従来の準委任契約が違法とされるリスクがこれまでよりも格段に高くなっている上、お互いに準委任契約を是とする関係(多くは商流の底辺)から抜け出すことがより難しくなります。
自分の会社がどの方向を向いているか、これから選ぶ会社がどう考えているかをしっかりと確認することが、将来の脱ジリ貧のポイントになると思います。
では次回、『ITエンジニア脱ジリ貧の七つのポイント6 利益』、現場に出ているエンジニアが残す利益についてお話します。
ではまた。